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業績評価を考える働く仲間の情報交流

業績評価裁判を支援する会(岬の会)

人事委員会に申し入れ

「審査のやり方を改善する」と言明
1月17日、大嶽さんと高橋弁護士が人事委員会に要請

しばらくブログの更新をさぼってしまいましたが、2012年、今年もよろしくお願いします。

さて、高裁判決の確定を受けて、1月17日、大嶽さんと高橋弁護士が東京都人事委員会に申し入れを行いました。
昨年末から何度か電話で折衝した結果、大嶽さん本人と代理人弁護士としか話さないということでしたので、やむなくそうなりました。1月17日の夕方5時から、おふた方と事務局ふたりの4人で事前打ち合わせを行った上で、6時から約1時間申し入れを行いました。
人事委員会側は、東京都人事委員会任用公平部審査課審査担当部長の小澤さんと、審査担当課長の中西さん、もう一人審査課主査の女性の3人が対応されました。
下記にこの場で提出した「要請書」を掲載しますので、ご覧ください。

総括的に言えば、高裁確定判決は、人事委員会に業績評価にかかわる措置要求審査のやり方の抜本的な改善を強制しているという手応えを得ることができました。
しかし、業績評価制度の根幹まで揺るがしているかというと、判決そのものが制度自体の違憲違法性に関しては却下していることもあり、業績評価制度は必要だし今後も推進するという立場は譲りませんでした。その上で、より公平性を高めるよう努力するというものです。
もっともっと業績評価制度のデタラメな運用実態と、業績評価によって教育現場の荒廃が深まっている実態を突きつけていかなければならないということを痛感しました。そのためには、勝利判決を現場に生かして、業績評価に対する現場からの様々な異議申し立てを起こしていくことだと思いました。

以下、この日の人事委員会の見解表明の要旨をご報告します。

①月内には世田谷区教委が業績評価を見直し、それに基づいて都教委が給与を是正する方向で手続きを進めている。人事委員会の判定は、それが行われたことを確認した上で、高裁判決確定の趣旨にしたがった判断を示す。
(「あらためて双方から意見を聞いて審理をやり直すというより、すみやかに解決するために、任命権者(都教委・区教委)の方で自主的に修正してもらった方がいいので、そのように進めてきた」。)
②(業績評価にかかわる措置要求の)今後の審理のやり方に関しては、より実質的な審理ができる形にするために改善すべき点がある。内部的なマニュアル(非開示)を直す。規則まで及ぶかは検討中。
ただし、個別事案の判定書の中に書ける性格のものではない。判定書自体は事務的なものになる。今後の改善について人事委員会の中で真剣に議論しているのは事実なので、まだしばらく時間がかかるが、一定まとまったものができて示せるものがあれば、その時点で連絡する。
③謝罪に関しては、「(審理に3年近くかかったことに関しては)遺憾に思う。公的な謝罪は難しい。この場においては、私(小澤部長)から遺憾であったと申し上げる」。
④業績評価制度の見直しに関しては、「業績を評価した上でそれに見合った処遇をしていかないと職場が活発にならないと考えている。改めろと言われても難しい。しかし、不適正な評価があって良いわけないので、評価する側と連絡を取り合って、適切な評価の仕方を追求していく」。
⑤その他 「要請書」の二、①~④への回答は、下記の該当箇所に赤字で書いています。



                                                                       
 2012年1月17日

東京都人事委員会
委員長 関谷 保夫 様

                             要 請 書

                                                        大嶽 昇一
                                                        業績評価裁判を支援する会(岬の会)


 2011年10月26日、業績評価による昇給延伸を妥当と判断した貴人事委員会の措置要求判定の取消請求事件で、東京高裁民事12部(梅津和宏裁判長)は、1審に続いて、判定を裁量権を逸脱・濫用した違法なものと断定し、都側の控訴を棄却しました。貴人事委員会は、上告を断念され、同判決は確定しました。
  しかるに、判決から3カ月の日時が経過しようとしているのに、貴人事委員会は、いまだ、判定を修正されていませんし、私への謝罪もありません。そもそも、私の措置要求をまともな審査もしないまま3年近く放置したあげく棄却したという経緯があります。そのことに鑑みても、一刻も早く判定をやり直し、私の名誉を回復するのが、中立的人事行政機関としての責務ではないでしょうか。

  問題は、ひとり私個人の問題ではありません。私の裁判の1審判決の2週間後にも、業績評価とそれに基づく昇給延伸を容認した貴人事委員会の判定が取り消されているではありませんか(平成20(行ウ)467号措置要求に対する判定取消請求事件・東京地裁民事第19部2010年5月28日判決、確定)。二件も立て続けに判定を取り消され、司法からずさんな審査を断罪されたことについて、一体どのように受け止めておられるのでしょうか。
 私の裁判の1審判決では、評価の根拠事実を記載した基礎的資料である「職務実績記録」も提出させていないことが指弾されていました。今回の判決では、加えて、C評価をつけていない評価項目で取り上げるべき職務内容をCC評価による昇給延伸を妥当とする根拠として判定文に記載していることが違法と判断されています。評価の妥当性を評価項目別に検討し、業績評価実施要領からの逸脱をチェックすることさえしなかった、ずさんな審理・判定が断罪されているのです。
 上記の東京地裁民事第19部判決でも、「評価の適否自体は、措置要求審査の主要な対象事項ではない」という貴人事委員会の主張は、完全に斥けられています。
  単に、私の事件の判定文を判決に沿って書き直して済ませられる問題ではありません。
  この間の判定で示されてきた「業績評価は、原則として評価者の判断が尊重される」といった審査基準ならざる原則追認方針、苦情相談検討委員会の結論を追認する方針は、直ちに見直されるべきです。また、国の給与決定審査申立制度にならった厳格かつ簡易・迅速な準司法的審査の導入も検討されるべきです。
  違法な業績評価による損害と名誉の回復に7年も要した私と同じ苦しみを後輩達に味あわせたくはありません。今後、業績評価とそれに基づく昇給区分決定に係る措置要求がなされた場合、貴人事委員会はどのような審査をされるつもりなのかを明らかにしてください。

  さらに、重大な問題があります。貴人事委員会は、2011年度の勧告において、「特別給について、成績率の査定幅の拡大につとめる」「昇給制度についても、能力・業績をより厳格に反映していく」と、能力・業績の給与反映をさらに徹底させる方向をうちだされました。そのお墨付きを得て、東京都は、「これからの人事制度の基本的方向」で勤勉手当の成績率を「今後、速やかに全職員に適用範囲を広げていく」としています。
 とんでもないことです。判決の内容は、審査課だけでなく、人事委員会全体に報告され、共有されているのでしょうか。貴人事委員会が、司法判断を真摯に受け止めているのであれば、「能力・業績の給与反映をさらに徹底させる」などとはとても言えないと思います。
 私の裁判で明らかとなったことはなんでしょうか。事実無根や事実誤認に基づく恣意的評価が現に横行しているということです。任命権者が自ら定めた実施要領などの「評価ルール」を評価者がまったく守っていないということです。そして、そうした不当な評価をチェックし、是正する仕組みが制度にまったく備わっていないということです。
 勧告では、「任命権者においては、人事考課制度がより一層適切に運用されるよう、引き続き評定者訓練に取り組み、その内容の充実に努められたい」とも述べておられますが、任命権者に丸投げして解決する問題ではないことは明らかです。
 判決の判示事項に従うのであれば、違法不当な評価を生み出した原因の究明と再発防止策を明らかにさせ、それまで制度は凍結するよう任命権者に勧告するのが専門的人事行政機関としての責務ではないのでしょうか。あるいは、公正評価義務が履行されるような制度設計を自ら立案し勧告すべきなのではないでしょうか。
  「業績評価の給与反映を徹底させる」とする勧告を撤回し、業績評価制度の抜本的見直しを検討されるよう申し入れます。

  貴人事委員会は、任命権者の人事権行使をチェックする役割を放棄し、追認機関に随してきたことを深刻に反省すべきです。今回の判決を真摯に受け止め、自らの襟を正し、以下の点を実行されるよう、申し入れます。

                                    記

一、私、大嶽に対する2004年度のCC評価と昇給延伸措置を取り消す判定を出すこと。

二、業績評価に基づく昇給区分決定に係る措置要求がなされた場合、その審査対象事項、審査基準、審査の方法・内容を明らかにすること。 

  ①判決判示のとおり、評価の適否が審査の主要対象事項であることを承認し、「業績評価は、原則として評価者の判断が尊重される」という方針を明示に撤回すること。
→回答:「給与上の不利益にかかわる判断をする場合に限って言えば、業績評価の内容に立ち入るのはもう当然のことになる」 

  ②職務実績記録、業績評価書を提出させ、要求者にも提示すること。
→回答:「書類の名前はともかく、根拠資料は全て出してもらう。それを見てわからないところがあればさらに資料を要求していく。それぞれから出された資料は全て相手方に提示する。」 

  ③評価者側に提出させる意見書は、要求者側にも提示し、反論の機会を与えること。
→回答:「反論機会は必ず与える」 

  ④苦情相談検討結果に関わりなく、人事委員会が独自に中立的立場で審査すること。
→回答:「(措置要求を棄却した判定書には世田谷区の苦情相談の検討結果を論拠にしているような書き方をしているが、)寄りかかっているつもりで書いていない。苦情相談の検討結果に左右されずに、人事委員会として調べた資料に基づいて判断する」

三、業績評価制度の抜本的見直しを任命権者に勧告すること
 ①2011年度勧告「職員の給与に関する報告(意見)」「人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)」中、「業績評価の給与反映を徹底させる」との部分を撤回すること。
 ②違法不当な評価を生み出した原因の究明と再発防止策を明らかにさせ、それまでは給与反映を凍結するよう任命権者に勧告すること。
  ③公正評価義務が履行される評価制度を研究・立案し、勧告すること。






  1. 2012年01月18日 15:18 |
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